エレミヤ書51-52 ; へブル9

エレミヤ書

第51章

51:1主はこう言われる、
「見よ、わたしは、滅ぼす者の心を奮い起して、
バビロンを攻め、カルデヤに住む者を攻めさせる。
51:2わたしはバビロンに、あおぎ分ける者をつかわす。
彼らは、その災の日に、四方からこれを攻め、
それをあおぎ分けて、その地をむなしくする。
51:3射手にはその弓を張らせることなく、
よろいを着て立ち上がらせるな。
その若き者をあわれむことなく、その軍勢をことごとく滅ぼせ。
51:4彼らはカルデヤびとの地に殺されて倒れ、
そのちまたに傷ついて倒れる。
51:5イスラエルとユダは
その神、万軍の主に捨てられてはいないが、
しかしカルデヤびとの地には
イスラエルの聖者に向かって犯した罪が
満ちている。
51:6バビロンのうちからのがれ出て、
おのおのその命を救え。
その罰にまきこまれて断ち滅ぼされてはならない。
今は主があだを返される時だから、
それに報復をされるのである。
51:7バビロンは主の手のうちにある金の杯であって、
すべての地を酔わせた。
国々はその酒を飲んだので、国々は狂った。
51:8バビロンはたちまち倒れて破れた。
これがために嘆け。
その傷のために乳香を取れ。
あるいは、いえるかも知れない。
51:9われわれはバビロンをいやそうとしたが、
これはいえなかった。
われわれはこれを捨てて、
おのおの自分の国に帰ろう。
その罰が天に達し、
雲にまで及んでいるからだ。
51:10主はわれわれの正しいことを明らかにされた。
さあ、われわれはシオンで、
われわれの神、主のみわざを告げ示そう。
51:11矢をとぎ、
盾を取れ。主はメデアびとの王たちの心を引き立てられる。主のバビロンに思い図ることは、これを滅ぼすことであり、主があだを返し、その宮のあだを返されるのである。
51:12バビロンの城壁に向かって旗を立て、
見張りを強固にし、番兵を置き、伏兵を備えよ。
主がバビロンに住む者を攻めようと図り、
その言われたことを、いま行われるからだ。
51:13多くの水のほとりに住み、
多くの財宝を持つ者よ、
あなたの終りが来て、その命の糸は断たれる。
51:14万軍の主はみずからをさして誓い、言われる、
わたしは必ずあなたのうちに、
人をいなごのように満たす。
彼らはあなたに向かって、かちどきの声をあげる。
51:15主はその力をもって地を造り、
その知恵をもって世界を建て、
その悟りをもって天をのべられた。
51:16彼が声を出されると、
天に多くの水のざわめきがあり、
また地の果から霧を立ちあがらせられる。
彼は雨のためにいなびかりをおこし、
その倉から風を取り出される。
51:17すべての人は愚かで知恵がなく、
すべての金細工人は
その造った偶像のために恥をこうむる。
その偶像は偽り物で、
そのうちに息がないからだ。
51:18それらは、むなしいもの、迷いのわざである。
罰せられる時になれば滅びるものである。
51:19ヤコブの分である彼はこのようなものではない、
彼は万物の造り主だからである。
イスラエルは彼の嗣業としての部族である。
彼の名は万軍の主という。
51:20おまえはわたしの鎚であり、戦いの武器である。
わたしはおまえをもってすべての国を砕き、
おまえをもって万国を滅ぼす。
51:21おまえをもってわたしは馬と、その騎手とを砕き、
おまえをもって戦車とそれに乗る者とを砕く。
51:22わたしはおまえをもって男と女とを砕き、
おまえをもって老いた者と幼い者とを砕き、
おまえをもって若い者と、おとめとを砕く。
51:23わたしはおまえをもって、
羊飼と、その群れとを砕き、
おまえをもって農夫と、くびきを負う家畜とを砕き、
おまえをもっておさたちと、つかさたちとを砕く。
51:24わたしはバビロンとカルデヤに住むすべての者とに、彼らがシオンで行ったもろもろの悪しき事のために、あなたがたの目の前で報いをすると、主は言われる。
51:25主は言われる、
全地を滅ぼし尽す滅ぼしの山よ、
見よ、わたしはおまえの敵となる、
わたしは手をおまえの上に伸べて、
おまえを岩からころばし、
おまえを焼け山にする。
51:26主は言われる、
人がおまえから石を取って、隅の石とすることなく、
また礎とすることもない。
おまえはいつまでも荒れ地となっている。
51:27地に旗を立て、国々のうちにラッパを吹き、
国々の民を集めてそれを攻め、
アララテ、ミンニ、アシケナズの国々をまねいて
それを攻め、
軍の長を立ててそれを攻め、
群がるいなごのように馬を上り行かせよ。
51:28国々の民を集めてそれを攻め、
メデアびとの王たちと、
そのおさたち、つかさたち、
およびすべての領地の人々を集めてこれを攻めよ。
51:29その地は震い、かつもだえ苦しむ、
主がその思い図ることをバビロンにおこない、
バビロンの地を、住む人なき荒れ地とされるからだ。
51:30バビロンの勇士たちは戦いをやめて、
その城にこもり、力はうせて、女のようになる。
その家は焼け、その貫の木は砕かれる。
51:31飛脚は走って飛脚に会い、使者は走って使者に会い、
バビロンの王に告げて、町はことごとく取られ、
51:32渡し場は奪われ、とりでは火で焼かれ、
兵士はおびえていると言う。
51:33万軍の主、イスラエルの神はこう言われる、
バビロンの娘は、打ち場のようだ、
その踏まれる時が来たのだ。
しばらくしてその刈り取られる時が来る」。
51:34「バビロンの王ネブカデレザルはわたしを食い尽し、
わたしを滅ぼし、わたしを、からの器のようにし、
龍のようにわたしを飲み、
わたしのうまい物でその腹を満たし、
わたしを洗いざらいにした。
51:35わたしとわたしの肉親におこなった暴虐は、
バビロンにふりかかる」と
シオンに住む者は言わなければならない。
「わたしの血はカルデヤに住む者にふりかかる」と
エルサレムは言わなければならない。
51:36それゆえ主はこう言われる、
「見よ、わたしはあなたの訴えをただし、
あなたのためにあだを返す。
わたしはバビロンの海をかわかし、
その泉をかわかす。
51:37バビロンは荒塚となり、山犬のすまいとなり、
驚きとなり、笑いとなり、
住む人のない所となる。
51:38彼らはししのように共にほえ、
若いししのようにほえる。
51:39彼らの欲の燃えている時、
わたしは宴を設けて彼らを酔わせ、
彼らがついに気を失って、ながい眠りにいり、
もはや目をさますことのないようにしようと
主は言われる。
51:40わたしは彼らを小羊のように、
また雄羊や雄やぎのように、ほふり場に下らせよう。
51:41ああ、バビロンはついに取られた、
全地の人の、ほめたたえた者は捕えられた。
ああ、バビロンはついに国々のうちに驚きとなった。
51:42海はバビロンにあふれかかり、
どよめく波におおわれた。
51:43その町々は荒れて、
かわいた地となり、砂原となり、
住む人のない地となる。
人の子はひとりとしてそこを過ぎることはない。
51:44わたしはバビロンでベルを罰し、
そののみこんだものを口から取り出す。
国々が川のように彼に流れ入ることはなくなる。
バビロンの城壁は倒れた。
51:45わが民よ、あなたがたはその中から出て、
おのおの主の激しい怒りを免れ、その命を救え。
51:46心を弱くしてはならない、
この地で聞くうわさを恐れてはならない。
うわさはこの年にもくれば、また次の年にもくる。
この地に暴虐があり、
つかさとつかさとが攻めあうことがある。
51:47それゆえ見よ、
わたしがバビロンの偶像を罰する日が来る。
その全地ははずかしめられ、
その殺される者はみなその中に倒れる。
51:48天と地とそのうちにあるすべてのものは
バビロンの事で喜び歌う。
滅ぼす者が北の方からここに来るからであると
主は言われる。
51:49イスラエルの殺された者たちのために、
バビロンは倒れなければならない、
バビロンのために全地の殺された者は倒れたのだ。
51:50つるぎをのがれてきたあなたがたは、
行け、立ちとどまってはならない。
遠くから主を覚え、
エルサレムを心にとめよ。
51:51『われわれはののしりを聞いたので、恥じている。
異邦人が主の宮の聖所にはいったので、
恥がわれわれの顔をおおった』。
51:52主は言われる、
それゆえ見よ、わたしがその偶像を罰する日が来る、
傷つけられた者が、その全国にうめくようになる。
51:53たといバビロンが天に上っても、
その城を高くして固めても、
滅ぼす者はわたしから出て、
これに臨むと主は言われる。
51:54聞け、バビロンの叫びを、
カルデヤびとの地に起る大いなる滅びの騒ぎ声を。
51:55主がバビロンを滅ぼし、
その大いなる声を絶やされるのだ。
その波は大水のように鳴りとどろき、
その声はひびき渡る。
51:56滅ぼす者がこれに臨み、バビロンに来た。
その勇士たちは捕えられ、その弓は折られる。
主は報いをする神であるから必ず報いられるのだ。
51:57わたしはその君たちと知者たち、
おさたち、つかさたち、および勇士たちを酔わせる。
彼らは、ながい眠りにいり、目をさますことはない。
万軍の主と呼ばれる王がこれを言わせる。
51:58万軍の主はこう言われる、
バビロンの広い城壁は地にくずされ、
その高い門は火に焼かれる。
こうして民の労苦はむなしくなり、
国民はただ火のために疲れる」。
51:59マアセヤの子であるネリヤの子セラヤが、ユダの王ゼデキヤと共に、その治世の四年にバビロンへ行くとき、預言者エレミヤがセラヤに命じた言葉。セラヤは宿営の長であった。51:60エレミヤはバビロンに臨もうとするすべての災を巻物にしるした。これはすなわちバビロンの事についてしるしたすべての言葉である。51:61エレミヤはセラヤに言った、「あなたはバビロンへ行ったならば、忘れることなくこのすべての言葉を読み、51:62そして言いなさい、『主よ、あなたはこの所を滅ぼし、人と獣とを問わず、すべてここに住む者のないようにし、永久にここを荒れ地としようと、この所について語られました』と。51:63あなたがこの巻物を読み終ったならば、これに石をむすびつけてユフラテ川の中に投げこみ、51:64そして言いなさい、『バビロンはこのように沈んで、二度と上がってこない。わたしがこれに災を下すからである』と」。ここまではエレミヤの言葉である。

第52章

52:1ゼデキヤは王となったとき二十一歳であったが、エルサレムで十一年世を治めた。母の名はハムタルといい、リブナのエレミヤの娘である。52:2ゼデキヤはエホヤキムがすべて行ったように、主の目の前に悪事を行った。52:3たしかに、主の怒りによって、エルサレムとユダとは、そのみ前から捨て去られるようなことになった。
そしてゼデキヤはバビロンの王にそむいた。52:4そこで彼の治世の九年十月十日に、バビロンの王ネブカデレザルはその軍勢を率い、エルサレムにきて、これを包囲し、周囲に塁を築いてこれを攻めた。52:5こうしてこの町は攻め囲まれて、ゼデキヤ王の十一年にまで及んだが、52:6その四月九日になって、町の中の食糧は、はなはだしく欠乏し、その地の民は食物を得ることができなくなった。52:7そして町の城壁はついに打ち破られたので、兵士たちはみな逃げ、夜のうちに、王の園の近くの、二つの城壁の間の門から町をのがれ出て、カルデヤびとが、町を攻め囲んでいるうちに、アラバの方へ落ちて行った。52:8しかしカルデヤびとの軍勢は王を追って行って、エリコの平地でゼデキヤに追いついたが、彼の軍勢がみな散って彼のそばを離れたので、52:9カルデヤびとは王を捕え、ハマテの地のリブラにいるバビロンの王のもとに引いていったので、王は彼の罪を定めた。52:10すなわちバビロンの王はゼデキヤの子たちをその目の前で殺させ、ユダのつかさたちをことごとくリブラで殺させ、52:11またゼデキヤの目をつぶさせた。そしてバビロンの王は彼を鎖につないでバビロンへ連れて行き、その死ぬ日まで獄屋に入れて置いた。
52:12五月十日に、――それはバビロンの王ネブカデレザルの世の十九年であった――バビロンの王に仕える侍衛の長ネブザラダンはエルサレムに、はいって、52:13主の宮と王の宮殿を焼き、エルサレムのすべての家を焼いた。彼は大きな家をみな焼きはらった。52:14また侍衛の長と共にいたカルデヤびとの軍勢は、エルサレムの周囲の城壁をみな取りこわした。52:15そして侍衛の長ネブザラダンは民のうちの最も貧しい者若干、そのほか町のうちに残った者、およびバビロンの王にくだった人、その他工匠たちを捕え移した。52:16しかし侍衛の長ネブザラダンはその地の最も貧しい者若干を残して、ぶどうを作る者とし、農夫とした。
52:17カルデヤびとはまた主の宮の青銅の柱と、洗盤の台と、青銅の海を砕いて、その青銅をことごとくバビロンへ運び、52:18また、つぼと、十能と、心切りばさみと、鉢と、香を盛る皿および宮の勤めに用いる青銅の器をことごとく取って行った。52:19また彼らは小鉢と、心取り皿と、鉢と、つぼと、燭台と、香を盛る皿と、灌祭の鉢を取った。金で作った物は金として、銀で作った物は銀として、侍衛の長は運び去った。52:20ソロモン王が主の宮に造った二本の柱と、一つの海と、海の下の十二の青銅の牛と、台など、このすべての物の青銅の重さは量ることもできなかった。52:21この一本の柱の高さは十八キュビト、周囲は十二キュビトで、指四本の厚さがあり、中は、うつろであった。52:22その上に青銅の柱頭があり、柱頭の高さは五キュビト、柱頭の周囲は網細工と、ざくろとで飾り、これらもみな青銅であった。他の柱もそのざくろも、これと同じであった。52:23その四方に九十六個のざくろがあり、周囲の網細工の上にあるざくろの数は百個であった。
52:24侍衛の長は祭司長セラヤと次席の祭司ゼパニヤと三人の門を守る者を捕え、52:25また兵士をつかさどるひとりの役人と、町にいた王の側近の者七人と、その地の民を募る軍勢の長の書記官と、町の中にいた六十人の者を町から捕え去った。52:26侍衛の長ネブザラダンは、これらの人を捕えて、リブラにいるバビロンの王のもとに連れて行った。52:27バビロンの王は、ハマテの地のリブラで彼らを撃ち殺した。こうして、ユダは自分の地から捕え移された。
52:28ネブカデレザルが捕え移した民の数は次のとおりである。第七年にはユダヤ人三千二十三人。52:29またネブカデレザルはその第十八年にエルサレムから八百三十二人を捕え移した。52:30ネブカデレザルの二十三年に侍衛の長ネブザラダンは、ユダヤ人七百四十五人を捕え移した。この総数は四千六百人であった。
52:31ユダの王エホヤキンが捕え移されて後三十七年の十二月二十五日に、バビロンの王エビルメロダクはその即位の年に、ユダの王エホヤキンを獄屋から出し、そのこうべを挙げさせ、52:32親切に彼を慰め、その位を、バビロンで共にいる王たちの位よりも高くした。52:33こうしてエホヤキンは獄屋の服を脱いだ。そして生きている間は毎日王の食卓で食事し、52:34彼の給与としては、その死ぬ日まで一生の間、たえず日々の必要にしたがって、バビロンの王から給与を賜わった。


へブル

第9章

9:1さて、初めの契約にも、礼拝についてのさまざまな規定と、地上の聖所とがあった。9:2すなわち、まず幕屋が設けられ、その前の場所には燭台と机と供えのパンとが置かれていた。これが、聖所と呼ばれた。9:3また第二の幕の後に、別の場所があり、それは至聖所と呼ばれた。9:4そこには金の香壇と全面金でおおわれた契約の箱とが置かれ、その中にはマナのはいっている金のつぼと、芽を出したアロンのつえと、契約の石板とが入れてあり、9:5箱の上には栄光に輝くケルビムがあって、贖罪所をおおっていた。これらのことについては、今ここで、いちいち述べることができない。9:6これらのものが、以上のように整えられた上で、祭司たちは常に幕屋の前の場所にはいって礼拝をするのであるが、9:7幕屋の奥には大祭司が年に一度だけはいるのであり、しかも自分自身と民とのあやまちのためにささげる血をたずさえないで行くことはない。9:8それによって聖霊は、前方の幕屋が存在している限り、聖所にはいる道はまだ開かれていないことを、明らかに示している。9:9この幕屋というのは今の時代に対する比喩である。すなわち、供え物やいけにえはささげられるが、儀式にたずさわる者の良心を全うすることはできない。9:10それらは、ただ食物と飲み物と種々の洗いごとに関する行事であって、改革の時まで課せられている肉の規定にすぎない。
9:11しかしキリストがすでに現れた祝福の大祭司としてこられたとき、手で造られず、この世界に属さない、さらに大きく、完全な幕屋をとおり、9:12かつ、やぎと子牛との血によらず、ご自身の血によって、一度だけ聖所にはいられ、それによって永遠のあがないを全うされたのである。9:13もし、やぎや雄牛の血や雌牛の灰が、汚れた人たちの上にまきかけられて、肉体をきよめ聖別するとすれば、9:14永遠の聖霊によって、ご自身を傷なき者として神にささげられたキリストの血は、なおさら、わたしたちの良心をきよめて死んだわざを取り除き、生ける神に仕える者としないであろうか。9:15それだから、キリストは新しい契約の仲保者なのである。それは、彼が初めの契約のもとで犯した罪過をあがなうために死なれた結果、召された者たちが、約束された永遠の国を受け継ぐためにほかならない。
9:16いったい、遺言には、遺言者の死の証明が必要である。9:17遺言は死によってのみその効力を生じ、遺言者が生きている間は、効力がない。9:18だから、初めの契約も、血を流すことなしに成立したのではない。9:19すなわち、モーセが、律法に従ってすべての戒めを民全体に宣言したとき、水と赤色の羊毛とヒソプとの外に、子牛とやぎとの血を取って、契約書と民全体とにふりかけ、9:20そして、「これは、神があなたがたに対して立てられた契約の血である」と言った。9:21彼はまた、幕屋と儀式用の器具いっさいにも、同様に血をふりかけた。9:22こうして、ほとんどすべての物が、律法に従い、血によってきよめられたのである。血を流すことなしには、罪のゆるしはあり得ない。
9:23このように、天にあるもののひな型は、これらのものできよめられる必要があるが、天にあるものは、これらより更にすぐれたいけにえで、きよめられねばならない。9:24ところが、キリストは、ほんとうのものの模型にすぎない、手で造った聖所にはいらないで、上なる天にはいり、今やわたしたちのために神のみまえに出て下さったのである。9:25大祭司は、年ごとに、自分以外のものの血をたずさえて聖所にはいるが、キリストは、そのように、たびたびご自身をささげられるのではなかった。9:26もしそうだとすれば、世の初めから、たびたび苦難を受けねばならなかったであろう。しかし事実、ご自身をいけにえとしてささげて罪を取り除くために、世の終りに、一度だけ現れたのである。9:27そして、一度だけ死ぬことと、死んだ後さばきを受けることとが、人間に定まっているように、9:28キリストもまた、多くの人の罪を負うために、一度だけご自身をささげられた後、彼を待ち望んでいる人々に、罪を負うためではなしに二度目に現れて、救を与えられるのである。


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